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ブログ 津上俊哉
東大丸川知雄教授の批判に応える

標題の反論を5回に分けて掲載します




  東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授が今年2月に刊行された「超大国・中国のゆくえ4 経済大国化の軋みとインパクト」(神戸大学経済学部梶谷懐教授との共著、東京大学出版会刊、以下「本書」と略称)の中で、私の著作を批判しておられることをツイッターで知った。
  目を通すと、たしかに、丸川教授が執筆を担当した序章「経済超大国への道」の中で、「中国経済が崩壊すると論ずる著作二冊」の一つとして、私が2年前に刊行した「中国台頭の終焉」(2013年1月日経プレミア刊、以下「終焉」と略称)が批判されている。
  私は今月刊行する「巨龍の苦闘」(2015年5月 角川新書刊)でも、中国経済の見通しについて「終焉」とほぼ同じ見方をしているので、丸川教授の批判には応えておかないといけないと思う。
    丸川教授からの批判
  丸川教授の批判を私なりに要約すると、以下の数点になると思う。
    津上は、中国経済が短期的には投資主導の経済成長の行き詰まり、中期的には国進民退(政府や国有企業の肥大・民間企業の伸び悩み)という問題に直面すると論ずるが、これらの問題が「成長にどれほどのマイナスの効果を与えるのかは測りがたい。なぜなら政府が今後どのような政策をとるかによってマイナスの大きさも変わってくるからである。」(同書7頁)
    津上は、今後の中国の潜在成長率は5%前後だとするが、「その積算根拠が示されていない」・・・「なぜ7%は無理で、かといって3%でもなく5%なのか、その理由が書かれていない」(同書7頁)
    「ふつう潜在成長率を算定する際には政策の出方によって左右される要素は含めない」・・・「津上が(今後の潜在成長率を)5%前後だとする主な根拠は少子高齢化にあるとみられる。」(この点で)津上は、「国連の人口予測は合計特殊出生率を1.5〜1.58と見積もっていて過大評価であるとし、2010年の人口センサスから得られる1.18という出生率をいるべきだと主張する」が、「2000年人口センサスでは相当数の子供が補足されていなかった」・・・「2010年の人口センサスの際にも同様に大勢の子供が隠されたのだとすれば、1.18という出生率は過少ということになる」(本書16頁)
    「仮に津上の人口予測を採用した場合に、経済成長率はどれだけ下がるのだろうか。」・・・「2011−2020年の就業者数の減少は年率マイナス0.1%、2021−2030年は年率マイナス0.6%と予想される。この数字を表序2の「楽観シナリオ」に当てはめると、2011−2020年のGDP成長率は年7.8%、2021−2030年は年7.0%となる。結局、国連の人口予測を使った筆者(丸川)の予測と年率0.1%しか違わないのである。」(本書16頁)

   以下、順次反論していきたい(クリックするとリンクへ飛びます)。

     の批判:中国経済が直面する短期、中期的な問題について

     の批判:潜在成長率の積算根拠を示さずに5%前後としていることについて

     の批判:1.18という出生率は過少という点について

     の批判:津上の人口予測を採用しても、国連の人口予測を使った筆者(丸川)の予測と年率0.1%しか違わないという点について

      反論の結び

   【本ポストの無断転載を禁じます】




 

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