米軍の核持ち込みと5海峡の領海幅制限に関する外務事務次官経験者の証言要旨は次の通り。
▽A氏
一、津軽海峡を全部、日本の領海にしたら 「米軍艦は核を積んで絶対に通らないんだな」 と質問された場合、「(核持ち込みを規制する) 事前協議の対象なので積んでいない」 と答えなければならない。しかしいくら何でも、それはあまりにもうそだ。
一、五つの海峡はあまりにも重要すぎる。うそをつかないために(5海峡の領海幅を) 3カイリとし、真ん中に領海で覆われていない水域があるから、(米核搭載艦船が) そこを通っていることについては 「日本は別に何の関心もない」 と国会答弁できるようにした。
一、(核艦船の5海峡の自由航行を保証することが3カイリにとどめた) 恐らく唯一の理由だろう。だから
自分は日本というのは恥ずかしい国、勇気のない国、だらしのない国だと思った。
一、みんな以前のうそに金縛りになっていた。(核艦船の領海通過は) 事前協議の対象だといううそに。(政策決定者の) 頭の中には米国の船のことしかなかった。自分は、おかしなことをするなと思っていた。
▽B氏
一、(領海幅を12カイリにして) ゴタゴタするより、(公海として) いっそ空けたままにして従来通りという方が楽だという考えがあった。
一、とにかく事なかれ主義、一番楽な解決 (方法) だ。
一、
米国から見れば、核を積んでいたって (日本の) 領海を通り抜けるのは全く問題ないから、何も日本に相談も通告もしないでいいという立場だった。そこを突っつき始めて米国と交渉をすると、やばいことになるという配慮があった。
一、(密約のために米核艦船の領海通過継続が予想され、厄介な問題が生じるので公海部分を残したのかとの質問に対して) はい。
※ 以上の共同通信配信記事は、駐レバノン大使だった
天木直人氏ブログのご教示で知りました。