最近仕事がキツイ、風邪は引く、で1ヶ月近く更新をさぼってしまいました。読者の方から 「どうした?」 とメールまで頂戴する始末。気が付くと、いつの間にかアクセス・カウンターは150万に迫っているというのに済みません。これからまた、頑張って更新します。
・・・しかし、これは経済分析としては正しい在り方ではないのではないか。為替レート換算GDPで計算しているため、GDPが過小評価され、経済の実態を示さない数値になっている。
発展途上国は、為替レート換算のGDPは過小評価の可能性が大きい。為替レートは必ずしも各国間の財・サービスの価格水準を調整できていない。仮に貿易によって製造業製品の価格が均一化しても、労働の価格が均一化しないからである。結果的に、途上国では労働集約的サービスは相対的に価格が低くなり、GDPは過小評価になる。そのため、国と国の所得水準の比較を適切に行うには購買力平価 ( PPP : purchasing power parity) が使われる。
中国は物価が安いと、誰しもが認める。為替レートは各国間の財・サービスの価格水準を調整するための道具であるから、本来なら、○○国は物価が安いと言うことはない。為替レートが物価水準の違いを十分に調整できていないから、そういうことが起きるのである。つまり、中国 (人民元) の為替レートは割安になっていると言えよう。したがって、中国のGDPは、国際価格で評価した場合より過小に評価されている。実態はもっと大きいのである。輸出入はもともと国際価格であるから、内需部門がもっと大きいといえよう。
世界銀行推計のPPPで見ると、中国のGDPは7兆ドルを超える。為替レート換算GDPより2.2倍も大きい。その結果、輸出依存度は半分以下に低下する。購買力平価で見た輸出依存度は、中国17%、日本16%で、ほとんど同じである。先に、為替レートを介在させずに、産業別に輸出依存度を見た場合に近づく。こうした事からも、PPP換算GDPで観察したほうが経済実態に近いように思える